Buddha-Workshop-Fの日記

仏像彫刻師の弟子をしています。

仏像彫刻の弟子日記その20

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画像は、師匠の教室に10年間通い続けていらっしゃる方の作品(六地蔵尊)です。

六地蔵尊とは六道「地獄」「餓鬼」「畜生」「修羅」「人間」「天」の世界を輪廻転生しながら彷徨い続ける人すべてを救済して極楽浄土へ導いて下さるという誓願をお持ちの菩薩様です。















































お釈迦様が亡くなられて(涅槃)、次の仏陀として弥勒菩薩様が56億7000万年後にこの世に降りてこられるまでの間、六道全てを救う任務を命ぜられたのが六地蔵尊です。





















































そして今日、師匠との雑談中、天才バカボンの話しが出ました。

天才バカボンは、ヨガの思想を背景にして語られているマンガだと教えて頂きました。

バカボンの名前の由来は、
薄伽梵(バギャボン・バガボン)、仏教用語ではお釈迦様の敬称

そしてサンスクリット語
Bhagavan(バヴァーン)、Bhagavad(ヴァガバッド)全知全能者、覚れる者
Buddha(仏陀ブッダ)”と同義語だそうです。


マンガの中でバカボンのパパは、出産と同時に歩行して「天上天下唯我独尊」と語りましたが、
お釈迦様も生まれた時に七歩進んで
天上天下唯我独尊」と仰っています。

ヨガの経典「バガヴァッド・ギーター」は「バカヴァーンのギーター(歌)」という意味ですが、

経典の中にある
「Tat Tvan Asi(タット トヴァン アシ)」
=“You are That.(あなたが全体であり、真実である)
自分に降りかかる苦しみや悲しみの全てをありのままに受け入れて、その束縛から心を解き放ち、本当の意味で自由になる。

このことを、バカボンのパパ
「これでいいのだ」
のひと言で表しています。



さらに、「レレレのおじさん」についても、実際にはお釈迦様のお弟子である

チューラパンタカ(周利槃徳=しゅりはんどく)がモデルになっています。

チューラパンタカは悟りを得るためにお釈迦様の弟子になりましたが、仏教を勉強するのが苦手な落ちこぼれで、自分の頭の悪さに悩みました。

お釈迦様はその様子を見てチューラパンタカにホウキを渡し、毎日お寺を掃除することに専念するように説きました。

そして来る日も来る日も掃除に専念した結果、最終的には自身の因縁も掃き清めて悟りを得たようです。

また、
「タリラ~リララ~ン」は、チベットのターラ菩薩のご真言だったりと、天才バカボン仏陀を意識して作られたマンガのようです。