Buddha-Workshop-Fの日記

仏像彫刻師の弟子をしています。

2020-01-01から1年間の記事一覧

思い出

老いた母に会いに行くたびに、何もわからなくなって、言葉も話せなくなって、無表情になっていく。【諸行無常】は、(すべての物事は日々変化することが当たり前であり、それをいちいち苦しむことはない)という釈迦の教えですが、人の心には(思い出)とい…

仏像彫刻の弟子日記その31

【夢】【吉祥天】個展お知らせのダイレクトメールに採用しました。藤田燿憶仏師の仏像彫刻個展が2021.1.6から1.12まで横浜高島屋にて開催されます。師匠の作品の他に長年の生徒さんや弟子の作品展示コーナーもありますので、お近くにお越しの際にはお寄りい…

家には9才になるトイプードル♀(ゆず)がいます。毎朝、近所の公園でボール遊びをするのが日課なのですが、先日公園に着くなりカラスがガーガー激しく鳴きながら猫を襲うがごとく追い回していました。その猫は間一髪で薮の中に逃げ込んで難を逃れたのですが…

仏像彫刻の弟子日記その30

四国遍路も4日目になりました。横峰寺駐車場から眺めた景色です。私の場合、ここまで順打ちをしていたので次は第55番札所からなのですが、今日は帰京しなければならず、そして山の中のお寺に佇んでいる時間が好きなので、第60番札所、石鎚山系の横峰寺へ朝一…

仏像彫刻の弟子日記その29

四国遍路の3日目です。道後の宿を8:00に出発しました。第45番札所の浄瑠璃寺です。とても紅葉が綺麗なお寺でした。心の優しい猫ちゃんです。この後来た茶色い猫ちゃんがこの猫ちゃんの前に座ったので茶色い猫ちゃんを撫でようとしたら嫌がられ、その様子を見…

仏像彫刻の弟子日記その28

四国遍路の続きです。翌日は高知県宿毛市の宿から出発しました。第40番札所、観自在寺です。天井を見たら今年の干支を亀が指していました。第41番札所、龍光寺からの眺め。第42番仏木寺です。第43番札所、秋石寺。第44番札所、大宝寺です。大宝寺へ向かう途…

仏像彫刻の弟子日記その27

2年前から四国遍路旅をしています。徳島県は発心の道場23ヶ寺高知県は修行の道場16ヶ寺愛媛県は菩提の道場26ヶ寺香川県は涅槃の道場23ヶ寺私は昨年までに順打ちにて高知県第37札所、岩本寺まで巡りましたが、今年は愛媛県で乱れ打ちになりました。車遍路でも…

仏像彫刻の弟子日記その26

紅葉の美しい色は、若葉が刻の流れに従った結果の色。木々の葉が散る前の全ての力を出しきって、赤や黄色に山を染め、その美しさで人々を魅了します。私にとって「諸行無常」を最も感じる時期が秋です。諸行無常とは、この世の万物は常に変化して、ほんのし…

仏像彫刻の弟子日記その25

今日は息抜きの日と決め、神奈川久里浜にあるコスモス園に出かけました。すると、コスモスたちの話し声が聞こえてきました。私たちに会いに来てくれてありがとう私たちを綺麗に撮ってね✨私、綺麗でしょう?コスモスだけじゃなくて私も撮ってねやっぱり私が1…

仏像彫刻の弟子日記その24

師匠の工房で作業出来ない時は、粘土塑像を自宅に持ち帰って彫刻を行なっています。現在、お釈迦様を製作している途中の画像です。今回は綺麗な仕上げを心がけることが目的なので、作品のお釈迦様の衣装は簡易化、後から衣装のメリハリを付けていきます。道…

仏像彫刻の弟子日記その23

やっと完成しました。先日師匠から言われました。(何時いつまでに完成させます。は今の私の実力では駄目なやり方。丁寧に丁寧にゆっくりと仕上げをして、もう何もやる事が無くなった。という時が完成です)(頭で彫るのではなく、心で彫りなさい)とても難…

仏像彫刻の弟子日記その22

昨日、小田急百貨店 新宿店にて開催されている、暮らしの中の伝統的工芸品展に行って来ました。播州三木打刃物様の彫刻刀を拝見する目的と、こちらのブースにて、面打ち師、新井達矢様の実演を拝見したくて行きましたが、長い時間をかけて培われた見事な技術…

仏像彫刻の弟子日記その21

大弁功徳吉兆天様が出来上がり、あとは台を作るだけとなりました。昨日師匠に、魂入れについて伺いました。師匠製作の仏像を購入した方が魂入れをされる場合、その方の菩提寺のお寺で読経にて行うことが一般のようです。そこで疑問があり「菩提寺がない方が…

仏像彫刻の弟子日記その20

画像は、師匠の教室に10年間通い続けていらっしゃる方の作品(六地蔵尊)です。六地蔵尊とは六道「地獄」「餓鬼」「畜生」「修羅」「人間」「天」の世界を輪廻転生しながら彷徨い続ける人すべてを救済して極楽浄土へ導いて下さるという誓願をお持ちの菩薩様…

仏像彫刻の弟子日記その19

星取り機を使用してはいますが、ここまで来ると勘を働かせながらの作業になり、神経が疲れます。左側の大弁功徳吉兆天さまの塑像は、衣装をここまで複雑にする必要が無かった、と、つくづく思いながら、製作しています。

仏像彫刻の弟子日記その18

ここまで粗彫りが進みました。どのような制作過程か、を画像に撮りたくて師匠にモデルをお願いしました。

仏像彫刻の弟子日記その17

星取り機を使いながら、ここまで粗彫りが進みました。頭部の粗彫りはとても気を使いますが、星取り機という立体コンパスで目印を付ける為(ここまでは彫って良い)やり易いです。そして、原案制作途中の塑像ですが、赤ちゃんの表現が難しいことを師匠に相談…

仏像彫刻の弟子日記その16

星取り機を使いながらここまで粗彫りが進みました。形が出来てくると楽しくなります。

仏像彫刻の弟子日記その15

大弁功徳吉祥天を彫りながら、同時に次回制作の構想を練っていますが、薬師如来と、日光菩薩、月光菩薩を浮き彫り塑像が出来ました。実際の彫刻では、薬師如来の手から光りが放たれる工夫をしたいと考えています。私は未熟だから、いえ、未熟だからこそ自由…

仏像彫刻の弟子日記その14

表向きからの画像しか今まで撮らず、比較対象がないのですが、本日はここまでの星取り作業でした。星取り機を使用しての作業は、第一段階は余裕を5㎜残してなので少し気楽なのですが、第二段階はぴったりしたサイズでの粗彫りなので緊張します。そして、星取…

仏像彫刻の弟子日記その13

仏像彫刻の制作過程です。星取り機(コンパスのような物)にて、粘土で塑像した吉祥天の原型をヒノキ素材に写しとって行きます。この技法を使い原型通りの彫刻を作り上げるので、今後もこちらの吉祥天がどのように完成して行くのかをUP致します。因みに画像…

仏像彫刻の弟子日記その12

日曜日の生徒さんの作品(笠地蔵)です。作者様の性格が反映されている、とても良いお顔をしています。

仏像彫刻の弟子日記その11

東京は、サツキやツツジ、ハナミズキが目映く花開き、近所を歩いていると思わず見惚れて足が止まってしまいます。来年1月に、横浜高島屋様、そして再来年には日本橋高島屋様にて「藤田燿憶仏像彫刻展」が開催される予定の為、私たち弟子一同も原案作りに追わ…

仏像彫刻の弟子日記その10

師匠から木材の端に節(ふし)のあるヒノキの木材を頂き、仏頭製作を始めました。節の特徴ですが、節やその周辺の木質は樹液のヤニが出やすく、また密度が高くて硬い為に加工が難しいので(木材の節=欠点)とされています。しかし私は、製作過程で節は切り…

仏像彫刻の弟子日記その9

昨日の続きです。↑見本とする仏頭と顔パーツが同じサイズになるよう精密なコンパスでサイズを測りながら鉛筆で眉、目、鼻を書きます。↑鉛筆で書いた目、鼻、口を彫刻刀で彫り始めて行きます。↑その後、途中で彫刻刀を研ぎながら彫り進めて行きます。ここまで…

仏像彫刻の弟子日記その8

昨日の続きです。先ずは、ここまで粗彫りをします。そして次に、おおよその眉、目、鼻、口の位置を決めますが、見本にする仏頭顔パーツの位置通りにトースカンで測りながら鉛筆にて線を引きます。

仏像彫刻の弟子日記その7

今週末、都知事からの外出自粛要請がありましたが、食品類の買い出しは大丈夫との事で出かけました。併設されているホームセンターで、電気のこぎりを発見のこぎり作業は思いの外とても重労働なので、思い切って買ってみました。今回の仏頭で使用するのこぎ…

仏像彫刻の弟子日記その6

お地蔵様頭部を製作する際は、角材を大まかな形になるまでノコギリなどを使って削ります。向かって右側は、角材をノコギリで切りました。そして左側は更にスマートガーバー(電動彫刻刀)で削っていきます。なるべく彫刻刀は仕上げで使いたい為です。次回、…

仏像彫刻の弟子日記その5

仕上げ作業は、木の表面を木に気づかれないように優しく丁寧に彫刻刀で削って行きます。それがとても難しい。木の方が気づかないでくれたら、それが一番楽なのですが、木は繊細で、ほんの少しの指の乱れも気づいてしまいます。木が人間だったら、生きにくい…

仏像彫刻の弟子日記その4

仕上げ作業は難しい。根気との戦いです。