Buddha-Workshop-Fの日記

仏像彫刻師の弟子をしています。

仏像彫刻の弟子日記その56

阿弥陀如来様の頭は、おおよその方は螺髪を想像されるのではないかと思いますが、今回は宝髻阿弥陀如来坐像を制作してみました。

師匠の工房には旭工機さんの電動糸鋸があり、とても使い易いのですが、少々高価です。

光背は自宅で制作するので比較的安価な中抜き加工が出来る電動糸鋸を探しましたが中々無く、でプロクソンの糸鋸に辿り着きました。

アーム部分が上に折れ曲がり、フトコロも広いのですが、取り付けの刃をプロクソンの機械に取り付けるのは相当なコツが必要でした。

刃が上手く入っていないと操作中爆音がしますので、分かりやすいですが…。

そして蓮台の木…

材は檜ですが、これでもか!というくらいに硬くて鉋がけはなんとかなりましたが、ノミ打ちはノミの刃が欠けてしまいそうなくらいに硬く、五軒隣りの家まで聞こえてしまうくらいの爆音を立てて打ち、思わず(こんな硬い木は無理)と独り言を漏らしたら、風雪に耐えて来た木の文句を言ったらダメ、とたしなめられてしまいました。

そんなこんなで、やっと出来た蓮台ですが、風雪に耐えて苦労をした日々を乗り越えて、今は阿弥陀如来坐像を乗せていることが誇らしく嬉しそうな気がしています。