Buddha-Workshop-Fの日記

仏像彫刻師の弟子をしています。

仏像彫刻の弟子日記その44

現在、宝冠阿弥陀如来様と蓮台の仕上げを行なっています。

光の加減が重要なため、太陽光の射す時間帯に仕上げ作業を行い、日が暮れると次回制作予定の地蔵菩薩を粘土にて塑像しています。

私は菩薩の衣の着付けが苦手です。

あらゆる仏像の本には正面からの画像が多く、横向きの画像は皆無に等しいです。

それなら本物の地蔵菩薩様を見に行こうと思い立って、本日行って参りました。

地蔵菩薩の塑像に反映出来ると良いのですが…。

 

仏像彫刻の弟子日記その43

今日は川崎にある中古の大工道具店に鉋を探しに行きました。

師匠からは四寸鉋が良いのではないか、とアドバイスをいただいていたので、四寸鉋を買いました。

どんな使い心地なのか楽しみです。

中古道具全品3割引きでしたので¥3,500で買えました。

 

 

 

 

仏像彫刻の弟子日記その42

 

年末から年始にかけて、お寺で受付の短期アルバイトを行いました。

1月中に2万人の参拝者がいらっしゃるお寺です。

受付なので、参拝者とお話しさせていただく機会が多く、身の上話しを始める方もいらっしゃいます。

そして、御守りやお札なども沢山売れました。

倉庫に山積みになっていた御守りが欠品するほどです。

お寺の運営も、働く人々にお給料を支払って、生活を支えて行かなければいけないので、儲けを考えるのは当然なのですが、最初のうちは少し違和感がありました。

ただ、今になって思うと、救いの対象を求めて御守りやお札を買うことにより、その方に気持ちのよりどころが出来て日々を安心して過ごす事が出来るなら、それはその方にとっては良いことではないかと。

そして、仏像彫刻を制作してお客様に求めて頂くことも同じだな、と思いました。

仏像彫刻の弟子日記その41

 

九品仏浄真寺 表門

 

閻魔堂

 

可愛いお地蔵様

 

 

現在、京都悲田院に安置されている快慶さん作の宝冠阿弥陀如来様を模倣して制作中なのですが、衲衣(のうえ)の部分が小口なので、なかなか綺麗に出来ず、お散歩がてら九品仏浄真寺に行って来ました。

こちらの閻魔堂にある賽銭箱にお賽銭を入れると閻魔大王からお告げを頂けます。

境内はとても広く、カラスも沢山いますが、性格が穏やかなので(カラスちゃん♪)と話しかけるとまん丸いつぶらな目でこちらを見て来ます。

上品、中品、下品に阿弥陀如来様が安置されていますが、とても心が落ち着くお寺です。

 

 

 

 

 

銘木店巡り その2

池田木材様を出た後、円空仏で有名な岐阜県、千光寺に向かいました。

千光寺二王門です


千光寺円空仏寺宝館前です

千光寺は約1,200年前に弘法大師の10大弟子の一人、真如親王によって建立されましたが、永禄7年の武田軍の飛騨攻めの時に焼け落ち、後の飛騨国主、高山城主金森公が再建しました。
高野山真言宗の修禅観法の道場として山岳仏教の古風を伝えます。
こちらの寺宝館は、円空さんの作品約60点展示されていました。
両面宿難像、護法神が有名です。

千光寺5本杉

完全な合体木で5本の杉が癒着し生長したそうです。

この日は岐阜に宿泊しました。

明日は大阪の材木店と、兵庫県浄土寺の快慶さん制作、阿弥陀三蔵を拝観しに行きます。


催し物のお知らせ

2022.5.29日曜日、

曹洞宗林泉寺様(東京都文京区小日向4-7-2)

にて、林泉寺ご住職の法話や藤田燿憶仏師の実演会、作品展などが開催されます。


詳しい時間等は追ってこちらのホームページにてお知らせ致しますが、お時間ございましたらどうぞお気軽にお越し下さいませ。



銘木店巡り その1

仏像彫刻を生業にしたいという思いで日々精進していますが、壁にぶつかる時が多々あります。

毎日手に触れている木曽檜のことを深く知りたいと思い、木材を知る旅に出ました。

先ずは、長野県と岐阜県の県境にある池田木材店様に向かいました。

お店の方に

(どうぞゆっくり選んでください)

と木材置き場に案内され、ひとりでゆっくり選ばせて頂きました。

広い木材置き場に、たくさんの木曽檜。

ワクワクが止まりません。

その後、大阪の銘木町や材木町にも行きましたが、長野県木曽郡の池田木材様は木曽檜ではとても有名な木曽檜を扱うお店だと大阪のお店の方から伺いました。

全国の神社や寺院にも建築材として使われています。

四方柾目の天然木曽檜で、樹齢300年くらい経っているそうです。

天然木曽檜を数点購入させて頂きました。


現在は二代目の方がお店を継いでいらっしゃいますが、先代から(とにかくお客様を大切にしなさい)

という教えを固く守られているとことで、

色々と私が知らないことを丁寧に教えてくださりました。

こちらのお店の木曽檜は最高級な物ばかりですが、扱っていらっしゃるお店の方々のお人柄も最高なお店で、人様に手を合わせて頂く仏様はこちらのようなお店で購入する木曽檜で制作したいと思いました。


こちらは天然の木曽檜


こちらは植林された木曽檜

年輪の幅が天然木と全く違います。


そして、木曽檜は(神の木)と言われているそうです。


ヒノキの名前の由来は、直ぐに火がつく「火の木」

神宮建築用材に使われていた事から「霊(ヒ)の木」

神宮は天照大神の建物とする事から「太陽神すなわち(日)から(日の木)」

とされる説があります(森林.林業学習館より抜粋)


ヒノキのルーツは、日本書紀に遡り、須佐之男命が胸毛を抜いて空中に放ってヒノキになり、その用途として神殿を作るように記されています。

日本神話には、天穂日神のように「日(ヒ)」が含まれる神の名前が多く、「日の木」は霊力の宿る神の木と考えられていたようです。

次回は、大阪の材木町に続きます。