Buddha-Workshop-Fの日記

仏像彫刻師の弟子をしています。

仏像彫刻の弟子日記その1

私は仏師の弟子なので、毎日出来るだけ長く彫刻刀を握るようにしています。

彫刻刀を握らない日はありません。


今はお地蔵様のお顔彫り8体目で、一体一体出来上がった時には最新に仕上がったお顔が一番良いな、と思うのですが、次のお顔が出来上がった時は、一つ前に作ったお顔が褪せて見えてしまうという事の繰り返しです。


ある日の師匠との雑談で、

(見本通りにお地蔵様のお顔を彫ろうとしても、彫る人それぞれの個性や性質、はたまた精神状態がお地蔵様のお顔に表れて、その人自身が見えてしまうよ)

との事でした。


…ということは、日々、自分を好きになれるような良い行いをして精神性を上げるようにすることが良いお顔を彫る条件かな、と思い、仏像彫刻の修行と共に励む努力はしていますが、人と接する中で時として色々な感情に支配されてしまい、自問自答の日々を繰り返しています。


次こそは良いお顔に仕上げたい。


の繰り返しの日々を過ごしています。